今、愛する人と暮らしていますか?

ジェネオン エンタテインメント
発売日:2008-09-26

’07年、韓国で上映された時に動員数100万人を突破した映画がDVDで登場。
仕事に情熱を注ぐファッション・アドバイザーのユナと、ユーモア精神あふれるホテルマン・ミンジェは、日々の平凡な幸せをかみしめるタイプのタイプの夫婦だ。
一方、ともに実家が人がうらやむセレブである建設会社役員・ヨンジュンと照明デザイナーのソヨは、どこかよそよそしさと倦怠感が漂うカップルである。
対照的なタイプのカップルは、ミンジェの出張先・香港で運命的な出会いをする。
ミンジェとソヨは運命的な出会いを感じ、お互いに好意を持つようになる。
逆にユナは、ヨンジュンのぶっきらぼうな態度と言葉遣いに加え、TPOをわきまえない服装センス、細かいことにこだわらない生活スタイルに反感を感じるが、一緒に飲みに行ったことから親密な関係になるが、夫のことを愛しているユナは、最後の一線を越えさせない。しかしお互いに好意を持ったミンジェとソヨは、すぐさま現地のホテルで深い関係を結び、帰国後もお互いのパートナーの目を盗み、逢瀬を繰り返す。
ヨンジュンとのよそよそしい関係に疲れていたソヨは、ミンジェに「あなたとなら何もかも捨てられる」と告白し、彼との結婚を望むようになるが、交際当初から「大人の関係」と割り切っていたヨンジュンは口を濁す。しかし、ふとしたことから2人の不倫関係は、お互いのパートナーに知れることになってしまう。これまでの不定関係を認めて互いのパートナーに謝罪し、夫婦関係を一からやり直そうと決心するミンジェとソヨ。だがその本心はまるで違っていた。友人の結婚式で、酔っぱらった新郎を避けようとしたソヨとユナは、謝って海の中に落ちてしまう。お互いの夫は彼女たちを助けあげるが、手を握っていた相手は…
日本版公開時のキャッチコピーは「切ない大人のラブストーリー」だが、なんのことはない、単なる「W不倫」をテーマにしたお話である。2組のカップルが演じるベッドシーンが過激だったら、「これはスワッピングをテーマにした映画なのか?」
と突っ込まれるだろう。
ご存じの通り、韓国には現在も「姦通罪」なるものが存在し、近年も韓国の有名女優が、この罪でメディアを騒がせたことは記憶に新しい。意外にも韓国には、やたらと不倫をテーマにした映画が多いが、これは「自由恋愛を認めろ」「姦通罪は時代遅れだ」という、韓国映画人の意思なのかと思ってしまう。
そんな映画界の空気を反映してか、韓国女優は肌をさらけ出すことを何とも思わないようだ。儒教の影響で「乳首は出さない」という暗黙のルールがあるらしいが、最近の映画は乳首を出すシーンも目立つ。「脱ぐ」ことを一部映画人は「女優魂の表れ」というらしいが、彼ら彼女らにとって「脱ぐ」ことは自然の摂理であり、男と女の間に起こるごく普通のことであると見ているからだろう。画面から切なさと美しさが漂ってくるのは、韓国映画に出てくるラブシーンの特徴でもある。
演技陣の中では、ハン・ジェヨンの凛とした美しさが目につく。彼女はこの映画公開直後に結婚を控えていたそうで、結婚前にベッドシーンを演じることに抵抗感を示していたらしいが、収録されたシーンは美しい。惜しむらくは、乳首がでていないことが難点だが。
彼女が演じたソヨは、閉鎖された環境で育ったこともあってか、自分の知らない世界に憧れている。映画の中で、彼女が仕事中に、鳥籠に閉じ込められた鳥を見つめるシーンが出てくるが、これは彼女の置かれている状況を表している。家に帰っても、仕事人間の夫にはあまりかまってもらえず、寂しさを募らせているソヨ。たまたま海外ですてきな男性に出会ったら、不倫といわれるのを百も承知で男に走るのは、日々の生活に不満を感じているからだ。
ユナを演じるオム・ジョンファは、さすがの貫禄といったところ。この人はもともと歌手だそうだが、女優としても高く評価されている。以前見た映画「情愛」(’02年公開)では、生活のためにセレブの男と結婚したが、好きだった男が忘れられず、ずるずると関係を続ける女を演じていたが、この映画で演じている役も、その時と似たキャラクターである。一度はヨンジュンを挑発し、関係を持とうとするが、最後の一線を越えなかった(超えさせなかった?)のは、やっぱり夫のことを愛していたからだ(少なくても、その時点では)。
ヨンジュンは、ぶっきらぼうな仕事人間である。妻のことは愛しているが、それを表に出すのを苦手に思っている人間だ。そのためソヨは「自分は愛されているのか?」と夫の愛情をたえず疑い、夫と正反対のキャラクターの持ち主であるミンジェに夢中になる。ミンジェはソヨに惹かれつつも、妻・ユナも愛しているため、いつソヨとのただれた関係を断ち切ろうかと苦悩する。、パク・ヨンウはいい演技をしていると思うが、どこがどういいのかといわれると困ってしまうが。
 
この映画を受け入れられるか否かは、ラストシーンをどう解釈するかだろう。
ソヨとミンジェはいつの間にか夫婦同然の会話を交わす関係に発展し、ヨンジュンとユナは、愛車でロータリーを延々と回っている。このカットから「夫婦交換」はハッピーエンドで終わるとわかるが、現実の韓国社会でこんなことをやったら、一族から総スカンを食らうだろう。やはりこの映画で展開される世界は、「」という幻想の世界だから通用するのである。

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